ウクライナ人女性記者の遺体返還、ロシア拘束下で拷問の痕跡 脳の一部や眼球が欠損

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遺体が返還されたウクライナのジャーナリスト、ビクトリア・ロシチナさんの追悼式が首都キーウで2024年10月11日に行われた/Anatoloo Stepanov/AFP/Getty Images

遺体が返還されたウクライナのジャーナリスト、ビクトリア・ロシチナさんの追悼式が首都キーウで2024年10月11日に行われた/Anatoloo Stepanov/AFP/Getty Images

(CNN) ロシアの拘束下で数カ月にわたり外部との連絡を絶たれた後、死亡したウクライナの女性記者の遺体がウクライナに返還されたことがわかった。遺体には拷問の痕跡があった。ウクライナの検察が明らかにした。

ウクライナ政府は、取材旅行中に行方不明となっていたビクトリア・ロシチナさん(当時27)の遺体が、今年2月にウクライナとロシアの間で行われた遺体交換の一環として返還されたと発表した。

ウクライナ検察は、法医学検査で「拷問や虐待の痕跡が多数発見された。体の各所に擦過傷や出血、肋骨(ろっこつ)の骨折、電気ショックらしき痕跡などがあった」と述べた。

専門家はこれらの傷はロシチナさんが生きている間に負ったものと断定したという。

遺体の状態からはロシチナさんの死因を特定することは不可能だが、ウクライナは国際的な法医学専門家と協力してさらなる解明に取り組んでいる。

同国の主要メディア「ウクラインスカ・プラウダ」に勤務する、ロシチナさんの同僚は、遺体は臓器が失われた状態でロシアから返還されたと述べた。この人物は捜査チームのメンバーの話として、脳、眼球、気管の一部が失われており、ロシアが死因を隠蔽(いんぺい)しようとした可能性があると指摘した。

ロシチナさんの追悼集会に参加する同僚ら=2024年10月11日/Anatolii Stepanov/AFP/Getty Images
ロシチナさんの追悼集会に参加する同僚ら=2024年10月11日/Anatolii Stepanov/AFP/Getty Images

ロシチナさんは2023年8月に行方不明になった。同僚によると、ロシチナさんはロシアが掌握したウクライナ地域に赴き、占領下の人々の生活を取材していたという。

数千人のウクライナ民間人と同様に、ロシチナさんは占領下のウクライナでロシア当局に捕らえられ、ロシアに強制移送された。そして起訴や裁判を受けることなく勾留された。

ロシチナさんが亡くなったのは24年9月。家族がそれを知ったのはその約1カ月後、ロシアから通知を受けたときだった。

ロシチナさんが勾留されていたタガンログの拘置所は、被収容者への残虐な扱いで知られる。CNNは以前、同拘置所に収容されていた受刑者たちを取材。身体的・精神的虐待を受け、十分な食事も与えられず、基本的な医療も受けられなかったとの証言を得た。

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