スペインとポルトガルの停電、全土で復旧 原因は依然不明、発電機で死者も
(CNN) スペインとポルトガルで28日に起きた大規模な停電は、両国ともその日のうちにほぼ全土で復旧した。しかし突如の停電に見舞われた原因は依然として不明。空港や鉄道の駅では混雑が続き、当局は何らかの異常事態が発生した可能性やサイバー攻撃の可能性も含めて調査を続けている。
それまで正常に作動していたスペインの電力網が突然の障害に見舞われたのは、現地時間の28日午後0時33分。電力会社によると、この衝撃は克服したものの、1.5秒後に起きた2度目の断絶でシステムが正常に作動しなくなり、フランスとの接続が断たれて大規模な停電につながった。
スペイン政府関係者がCNNに語ったところによると、この時国内で消費されていた電力の60%に相当する15ギガワットの電力供給がわずか数秒で途絶えた結果、スペイン全土の電力網が崩壊した。
欧州で過去に起きた停電には、火災や自然災害など明らかな原因があった。しかし今回のスペインの停電は、暖かくよく晴れた日中に発生。24時間以上たった今も原因は分かっていない。
ポルトガルのルイス・モンテネグロ首相は28日、原因は隣国スペインにあると指摘した。
スペインのペドロ・サンチェス首相は29日の記者会見で、原因究明のための調査委員会を設置したと発表した。ただ、再生可能エネルギーの過剰生産が原因だった可能性は否定したとロイター通信は伝えている。
当局はサイバー攻撃の可能性や、重要インフラに対するコンピューター破壊活動の可能性についても調べている。