タリバンが女性向けラジオ局を強制捜査、業務停止に
(CNN) アフガニスタンを支配するイスラム主義勢力タリバンは4日、同国で唯一の女性向けラジオ局を強制捜査し、業務を一時停止させた。
首都カブールを本拠とする「ラジオ・ベグム」は女性が運営し、女性の教育を目的とする専門局。同局によれば、タリバン暫定政権の情報文化省当局者がスタッフを拘束し、局内を捜索した。女性ジャーナリストらを含むスタッフのパソコンや外部記憶装置、文書ファイル、電話などを押収し、非管理職の男性従業員2人を拘束したという。
情報文化省はその後、同局が無許可で外国のテレビ局に番組を提供するなどして「放送政策」に反し、放送免許を不適切に使用したと主張し、業務停止を確認した。
具体的な外国局の名前は挙げず、ラジオ・ベグムの今後については「追って決定する」と述べた。
これに対して国際NGO「国境なき記者団」(RSF)は業務停止を非難し、即時解除を求めた。
ラジオ・ベグムはアフガン各地の女性向けに1日6時間の教育番組や健康、心理関連の番組を放送し、「一切の政治活動に関与せず」女性を支援する姿勢を掲げていた。
同局の姉妹チャンネルでも、仏パリのスタジオで収録されたオンライン授業が配信されている。
アフガンでは現在、小学校6年生以降の女子教育が禁止されている。タリバンは約3年前に実権を握ってから女性の行動を厳しく制限し、同時にメディア業界への締め付けを強めてきた。
RSFによると、タリバンが昨年閉鎖したメディアは少なくとも12社に上る。公の場で女性が声を上げることを禁じる新法も導入され、女性に向けたラジオ・ベグムの放送はさらに難しくなっていた。