アルカイダ元メンバーのシャラア氏、シリア暫定政府の大統領に就任
シリア(CNN) シリア暫定政府の大統領に、かつて国際テロ組織アルカイダのメンバーだったアフマド・シャラア氏(旧名アブ・モハメド・ジャウラニ氏)が任命された。シリア軍事作戦司令部が29日に発表した。
発表によると、シャラア氏は移行期間の国家元首として大統領の職務を担う。大統領には暫定的な立法評議会を設置する権限が与えられ、新しい憲法が制定されて発効するまで、同評議会が職務を遂行する。
司令部はさらに、憲法の停止や議会の解散、旧政府軍と政権与党バース党の解散などの決議を発表した。
シャラア氏は、何十年にも及ぶ独裁体制を築いたアサド政権を昨年崩壊させた民兵組織の指導者だった。
シャラア氏は20代前半でシリアの「外国人戦闘員」となり、2003年春にイラクへ侵攻した米軍との戦闘のためにイラクへ渡航。米軍が運営する刑務所に収容され、解放された後はイラクに戻って後にイラク・シリア・イスラム国(ISIS)の指導者となるアブバクル・バグダディ容疑者の援護を受けながら、アサド政権と戦った。
シリアでは「ヌスラ戦線」を創設してアルカイダに忠誠を誓ったものの、16年にアルカイダと決別した。
その後は北西部のイドリブ県で数百万人の統治を担い、基本的なサービスを提供していた。