越境攻撃へのロシアの反撃は「予想通り」 ゼレンスキー氏
(CNN) ウクライナのゼレンスキー大統領は12日、自国軍が先月仕掛けたロシア西部クルスク州への越境攻撃に対してロシア軍が反撃を開始したと明らかにした。ロシアの反撃は予想されていたことで、「計画通り」との見解を示した。
ゼレンスキー氏は以前、クルスク州への攻撃は4部構成の「勝利に向けた計画」の第1弾だと述べていた。また、越境攻撃開始以降、同州で約100の集落を制圧し、面積にして1300平方キロメートルの地域を支配下に置いたと明らかにしていた。
ロシア国防省は12日、ロシア軍が10集落を奪還したと発表した。
ソーシャルメディアに投稿され、CNNが撮影場所を確認した映像では、ウクライナ軍が制圧していた地域の西側に位置するスナゴスト集落にロシア軍の突撃部隊がいる様子が確認できる。
ウクライナ軍は先月6日に国境を越えてクルスク州に進軍した。この電撃攻撃はロシアの不意を突いただけでなく、米国の当局者らすら驚かせた。外国の軍隊がロシア領に入るのは第2次世界大戦後初めて。
この奇襲により、ロシアは防衛に奔走することになった。米当局者がCNNに明らかにしたところによると、ロシアはウクライナに配備していた多くの部隊をクルスクに移動させることを余儀なくされたという。
クルスク州での反撃とは別に、ゼレンスキー氏は12日の会見で、ウクライナ東部で活動していた赤十字国際委員会(ICRC)の職員3人がロシア軍の砲撃を受けて死亡したと明らかにした。ICRCによると、職員らは住民にまきや練炭を配給する準備をしていたところを、乗っていた車に攻撃を受けたという。