ハイチ首相が辞任表明 暴力激化の中で
(CNN) カリブ海の島国ハイチのアンリ首相が辞任を表明した。同国では数週間前から、武装ギャングが政府機関を襲撃するなど暴力が激化している。
アンリ氏の側近はCNNに同氏の辞任表明を確認し、新たな暫定政権の設立までは職にとどまるとの見通しを示した。
カリブ共同体(CARICOM)の議長を務めるガイアナのアリ大統領が11日深夜、カリブ海諸国首脳らとの共同記者会見で発表したところによると、アンリ氏は選挙実施に向けた移行評議会が設置され、暫定首相が任命された時点で辞任する。
国連によると、CARICOMはこの日、ジャマイカの首都キングストンでハイチ情勢に関する会合を開いた。
アンリ氏は首都ポルトープランスで暴力が激化する前から、ハイチの治安回復に向けてケニアが警官1000人を派遣する計画の協定に署名するため、同国を訪問していた。
ギャングのリーダーで「バーベキュー」の通称で知られるジミー・シュリジエ氏は5日、アンリ氏が辞任せずに国際社会の支持を受け続けるなら、その結果としてハイチは内戦状態に陥り、ジェノサイド(集団殺害)が起きるだろうと警告した。
米国務省の報道官は6日、アンリ氏に辞任は求めていないとしたうえで、多国籍部隊の派遣や選挙の実施に向けた統治体制の移行を急ぐよう促していると述べた。
国連の推計によると、ポルトープランスの8割は現在、ギャングに支配されている。ギャングはアンリ氏の帰国を阻止するために空港を包囲していた。