ノーベル受賞ジャーナリストの脱税裁判、残る1件も無罪判決 フィリピン
香港(CNN) 2021年にノーベル平和賞を受賞したフィリピンのジャーナリスト、マリア・レッサ氏(59)が問われた脱税罪5件のうち、残る1件でも無罪が言い渡された。
マニラ首都圏パシグの裁判所が12日に判決を下した。
レッサ氏と同氏が率いるニュースサイト「ラップラー」はこれで、ドゥテルテ前政権時代に起訴された脱税関連の罪すべてで無罪となった。
同氏の弁護士は裁判所の前で「本人だけでなく、フィリピンの勝利だ」「これまでの無罪判決とともに、国際ビジネス社会への極めて強いメッセージになる」と述べた。
レッサ氏はラップラーの共同設立者で現CEO(最高経営責任者)。かつてCNNにも所属していた。ラップラーは声明で、不当な抑圧を受けてきたジャーナリストやフィリピン国民と勝利を分かち合うと述べた。
レッサ氏は今年1月、脱税罪4件で無罪判決を受けていた。20年にサイバー名誉毀損(きそん)罪で禁錮6年の刑を言い渡され、現在保釈中。
21年にはフィリピンで言論の自由を守ろうと努めた功績により、ロシア人ジャーナリストのドミトリー・ムラトフ氏とともにノーベル平和賞を受賞した。