「数千人の遺体」が腐敗、遺体安置所の収容能力は「限界点」に スーダン首都
(CNN) 激しい武力衝突が4カ月近く続くスーダンの首都ハルツームで、市内にある遺体安置所の収容能力が限界に達した。援助活動の従事者らが明らかにした。数千人の遺体が路上で腐敗するままになっており、医師や慈善組織からはコレラの流行を懸念する声が上がっている。
ハルツームの遺体安置所が「限界点」に達したことは、国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン」が8日に指摘した。
同団体によれば、遺体安置所に収容された遺体も長期に及ぶ停電で冷却することが出来ず、腐敗が進んでいる。医療スタッフも残っておらず、遺体は「そのままの状態で何の処理もされず」放置されているという。
スーダンでは4月半ばに国軍と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」との間で武力衝突が勃発。双方共にハルツームを支配下に置こうとしている。
国連人道問題調整事務所(OCHA)が保健省のデータを基に先月報告したところによれば、これらの暴力での死者は7月11日時点で少なくとも1105人、負傷者は1万2115人に上る。ただ実際の数字について、OCHAはこれを大幅に上回る公算が大きいとしている。
国連児童基金(ユニセフ)はこれまで少なくとも435人の子どもが死亡したと発表。負傷した子どもの数は少なくとも2025人としている。平均すると1時間に1人の子どもが殺害されるか負傷している計算になるという。
セーブ・ザ・チルドレンは声明で、遺体の増加と深刻な水不足、公衆衛生サービスの機能不全などが重なってハルツーム市内ではコレラの流行が懸念されると述べた。
コレラはしばしば戦争地帯で蔓延(まんえん)する。コレラ菌に汚染された水を通じ、急速に感染が拡大する。
スーダンでは通常6月に始まる雨期にコレラの感染者数の急増が認められるが、支援団体によると現状では公衆衛生施設が機能しておらず、「危機の実態を評価するのが難しい」という。