イスラエル国防軍、アルジャジーラ記者死亡で初の謝罪

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ヨルダン川西岸地区で射殺されたパレスチナ系米国人ジャーナリスト、シリン・アブアクレさん/Facebook/Shireen Abu Akleh

ヨルダン川西岸地区で射殺されたパレスチナ系米国人ジャーナリスト、シリン・アブアクレさん/Facebook/Shireen Abu Akleh

(CNN) イスラエル国防軍(IDF)は11日、1年前にヨルダン川西岸地区ジェニンでイスラエル軍の作戦を取材中だった中東カタールの衛星放送局アルジャジーラの記者シリン・アブアクレさんが後頭部を撃たれて死亡した事件で、アブアクレさんの死亡について「大変申し訳ない」と初めて謝罪した。

IDFは昨年、アブアクレさんがイスラエル兵によって射殺された「可能性が高い」と認めていたが、謝罪はしていなかった。

IDF首席報道官のダニエル・ハガリ少将はCNNの番組でのインタビューで「我々はシリン・アブアクレさんの死亡を大変申し訳なく思っている」と述べた。

さらに「彼女は定評のあるジャーナリストだ。イスラエルで我々は民主主義を重んじ、民主主義ではジャーナリズムや自由な報道を重視する。我々はジャーナリストにイスラエルで安全を感じて欲しい。特に戦時はそうで、たとえ我々を批判している場合でもだ」と続けた。

この発言の数日前には、米非営利団体のジャーナリスト保護委員会(CPJ)が報告書を発表。過去20年間で殺害された少なくとも20人のジャーナリストについて、イスラエル軍は何ら責任を取っていないと指摘していた。20人のうち18人はパレスチナ人だという。

「死のパターン」の表題が付いたこの報告書によると、IDFによってジャーナリストが殺された後には「決まった流れ」があるという。

CPJによれば、イスラエル当局者が証拠や目撃者の証言を無視して、調査中にもかかわらず兵士を無罪にするような動きがたびたび見られるという。調査の手続きは「ブラックボックス」で、結果は公表されないという。

「イスラエル軍は殺害事件の調査に何カ月、何年と時間をかけ、(殺害された)主にパレスチナ人記者の家族はイスラエル国内で裁きを求めるよりどころがほとんどない」(CPJ)

CNNの調査報道は昨年5月、アブアクレさん死亡に至るまでの間に、アブアクレさんの周辺で活発な戦闘行為がなく、パレスチナ戦闘員もいなかったことを示す映像を入手。目撃者8人や音声分析と爆発性兵器の専門家の協力も得た映像分析からは、イスラエル軍がアブアクレさんを狙ったことが示唆された。

IDFは昨年9月、アブアクレさんがイスラエル軍の発砲で「誤って」撃たれ死亡した可能性が高いと認めた。ただ、関係した兵士の訴追は考えていないとも述べた。

CPJの報告書を受けて、IDFは「作戦活動中の民間人への危害は遺憾で、報道の自由とジャーナリストのプロフェッショナルな仕事の保護は極めて重要だと認識している」「IDFは故意に非戦闘員を標的にしない。戦闘時の実弾使用は他の手段が尽きたときのみだ」との声明を出した。

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