火葬場や葬儀場に長蛇の列、衛星画像がとらえた中国コロナ禍の現状
(CNN) 新型コロナウイルスの感染が前例のない規模で拡大している中国で、各地の火葬場や葬儀場が混み合う様子をとらえた衛星画像が撮影された。
衛星画像はマクサーが12月下旬から1月初旬にかけて撮影。北京郊外の葬儀場では建設されたばかりと思われる駐車場が写っており、昆明、南京、成都、唐山、湖州などの葬儀場前には順番待ちの車の行列ができていた。
2020年1月の中国・河北省唐山市の葬儀場/Maxar
先週の同葬儀場/Maxar
中国政府は最近になって、市民の日常生活を厳格に規制してきたゼロコロナ政策を撤廃。市民は移動の自由を取り戻したが、葬儀場や火葬場が大混雑しているという情報は、目撃者の証言やSNSへの投稿で伝えられていた。
一方で、中国が公式発表している新型コロナの死者数は、規制が緩和された後も驚くほど少なく、12月7日以降に報告された死者は37人にとどまる。
1年前に撮影された中国・昆明の葬儀場前の道路(写真中央付近)/Maxar
先週の同葬儀場。葬儀場の入り口近くの通りに車がたくさん並んでいる/Maxar
病院や葬儀場の大混雑が伝えられる中、世界保健機関(WHO)などは中国が現状の重大性を正確に伝えていないとして非難を強めている。
WHOのテドロス・アダノム事務局長は4日、スイス・ジュネーブで行った記者会見で、入院者数と死者数に関して信頼できる情報、およびウイルス株のゲノム解析に関するリアルタイムの情報を、もっと迅速かつ定期的に提供するよう中国に求めると語った。