国境なき医師団の救助船、イタリア当局が差し押さえ

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捜索救助船「ジオバレンツ」がイタリア当局に差し押さえられた/ Avra Fialas/MSF/Reuters

捜索救助船「ジオバレンツ」がイタリア当局に差し押さえられた/ Avra Fialas/MSF/Reuters

(CNN) フランスの医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」は、地中海で難民や移民400人以上を救助してきた捜索救助船がイタリア当局に差し押さえられたと発表した。人命が危険にさらされかねないとして早期解放を訴えている。

MSFの4日の発表によると、捜索救助船の「ジオバレンツ」は今月2日、シチリア島のアウグスタ港で当局に差し押さえられた。

イタリア沿岸警備隊は、同国の港に入港する外国船に対して行っている「定期点検」の結果、「乗員や乗客の安全を脅かしかねない技術的な不備」が見つかったと説明する。

同船はゴムボートや救命胴衣といった救命具の装備が不十分だったと沿岸警備隊は説明。14時間に及んだ点検で計22件の問題が見つかり、そのうち10件を理由に同船を差し押さえたとしている。

「ジオバレンツ」からの移民の下船に際して待機するイタリア当局の車両=6月18日/Antonio Parrinello/Reuters
「ジオバレンツ」からの移民の下船に際して待機するイタリア当局の車両=6月18日/Antonio Parrinello/Reuters

MSFは、「必要な調整は全て行う用意がある」としながらも、イタリア港湾当局が人命救助を目的とした同船の出航を阻むため、異常を発見する狙いで長時間に及ぶ徹底検査を行ったと主張。「人道支援団体の船が差し押さえられ、その間にも地中海では人命が不必要に失われ続けている」とした。

イタリアには欧州を目指す移民や難民が押し寄せている。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は5月の時点で、今年に入って少なくとも500人が、地中海を渡る危険な航海の途中で命を落としたと発表した。死者は前年同時期の150人に比べて3倍以上に増えている。

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