ベネズエラ、2歳児にポリオの診断 根絶から30年で初

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ワクチン接種率が落ち込むベネズエラで、30年ぶりにポリオ患者が確認された

ワクチン接種率が落ち込むベネズエラで、30年ぶりにポリオ患者が確認された

(CNN) 南米ベネズエラで2歳の幼児がポリオ(小児まひ)と診断されていたことが12日までに分かった。世界保健機関(WHO)の米州事務局である汎米保健機構(PAHO)が明らかにした。同国でポリオ患者が見つかるのは1989年以来。

WHOによるとポリオは感染力の強いウイルス性の疾患で、脳や脊髄(せきずい)へウイルスが入り込むと手足などの部位にまひが起こる。治療法はなく、死に至るケースもある。主に幼い子どもが発症し、人から人へ感染する。

PAHOは声明の中で、今回ベネズエラでポリオと診断された2歳児について、4月29日に初めてまひの症状が出たとし、5月31日になっても体を自由に動かせない状態が続いたと述べた。2歳児は北東部の先住民のコミュニティーで暮らしており、ポリオ予防のワクチン接種は受けたことがなかったという。

西半球でポリオ患者が確認されるのは1994年以来初めて。

推計で3130万人の人口を抱えるベネズエラは、長期に及ぶ政情不安と経済危機に見舞われている。インフレや物資の不足が慢性化するなか、医薬品の入手は慈善団体からの寄贈や闇市場での流通品に依存しているのが実情だ。

国内にある104の医療保険機関が今年3月に調査したところ、ワクチン接種率の低下と医療サービスの欠如が疾病の蔓延(まんえん)や子どもの死亡率上昇につながっている可能性が示された。

ベネズエラはジフテリアや結核、はしか、マラリアといった他の感染症の再流行にも見舞われている。

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