米国防総省、航行の自由作戦の要請を却下 中国に配慮か

2017.05.05 Fri posted at 18:06 JST

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(CNN) 中国が南シナ海の係争水域で人工島造成を進めている問題に関連し、人工島の近くで軍艦船を航行させたいとの米軍の要請が国防総省に断られていたことが5日までに分かった。同省高官がCNNに明かした。米軍から「航行の自由作戦」実施の要請があったのは、トランプ米大統領の就任後ではこの1回だけだという。

北朝鮮問題の解決を目指すトランプ氏が改めて中国に譲歩したものとみられている。

オバマ前政権は、南シナ海での航行の自由作戦を定期的に承認。過去1年半の間に少なくとも3回、米海軍の艦船が中国の人工島から12カイリ以内の海域を航行していた。

同高官は国防総省が米軍の要請を却下した理由について、中国などを敵対視していると受け取られかねない作戦のトーンダウンを図る同省内部の施策が一因としてあるとの見方を示した。

アナリストらは、トランプ氏による対中融和策の一環だと指摘。トランプ氏は北朝鮮の核開発の野心を抑制するうえで中国の協力を得たい考えとみられている。

中国は航行の自由作戦に関し、深刻な法律違反であり意図的な挑発だとしている。

国防総省のデービス報道官は3日、CNNの取材に、米軍は南シナ海を含むアジア太平洋地域で日常的に作戦を展開していると指摘した。同省によれば、米軍は今後も引き続き、航行の自由作戦を定期的に行っていく考えだという。

ただ、デービス氏は将来的な方針として「こうした作戦については、航行の自由作戦に関する年次報告書の中で公表される見通しで、それ以前に発表することはない」と言及。南シナ海での作戦について定期的に公の議論を行っていたオバマ政権の姿勢からの大きな転換となる可能性もある。

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