天安門事件から25年 後世に与えた影響は

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CNNが報じた天安門事件

(CNN) 天安門事件が起きた1989年、マイク・チホイ氏はCNNの北京支局長として現地の模様を取材した。現在は南カリフォルニア大学・米中研究所の上級研究員。40年以降に中国で活動した米国のジャーナリストたちを取り上げた同研究所のドキュメンタリー・シリーズ「Assignment:China」の執筆、ナレーションを担当している。

1989年6月4日午前2時30分。私は北京ホテルのバルコニーから、数百メートル先の天安門広場へ続く長安通りを見下ろしていた。曳光(えいこう)弾が空中を飛び、湿った夜の空気に銃声が響く。

広場に掲げられた毛沢東・元主席の肖像画の前を、人民解放軍の装甲車が通過した。

眼下で群衆の波が膨れ上がり、兵士からの銃撃で砕け散る。何人かが撃たれ、死者や負傷者が荷台付きの自転車で運ばれていった。

私は同僚たちとともに、CNNの実況中継で現場の状況を伝えた。雑音混りの電話回線を通した報告に、世界中の視聴者がくぎ付けとなった。

この夜の出来事は中国だけでなく、メディアの歴史にとっても転機となった。

数週間前から始まった学生デモは中国史上最大の政治運動に発展していた。私が取材した軍の弾圧はその後の中国に、そして世界と中国との関係に、多大な影響を及ぼした。

デモは世界中で報道され、情報化時代の到来を決定づけた。権威主義国家の民衆蜂起が世界に生放送されたのは、これが初めてだった。

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