北朝鮮の衛星は極軌道に、完全制御できていない兆候も 米当局者
(CNN) 北朝鮮が12日に打ち上げて軌道に乗せた物体を完全に制御できていない可能性があることが分かった。米政府当局者が12日に明らかにした。
情報の機密性から匿名で語った米国防総省当局者によると、北朝鮮が打ち上げたのは「限定的な機能を持った初歩的な通信衛星」で、北極と南極の上空を通る極軌道にあるという。
政府当局者はこの衛星について、打ち上げから24時間足らずの時点で「完全にコントロールできていない可能性を示す兆候が幾つかある」と語った。
問題の可能性を裏付ける根拠として、北朝鮮が地上の管制センターから衛星に向けて無線信号を発信している形跡が見られないという。衛星は普通、打ち上げ直後に無線信号を送って電力供給のための太陽光パネルを展開させる。
ただ、完全には制御できていないとしても、制御不能に陥ったわけではなさそうだといい、北朝鮮が技術的問題を解決できる可能性もあるとしている。
しかしコントロールに問題があることから、完全に安定した軌道上にあるのかどうかは分からないといい、「まだ確認に努めているところだ」と当局者は説明。高度の低い軌道に数カ月間とどまった後、燃え尽きたり、地球上に落下したりする恐れもあるとした。
パネッタ国防長官は同日収録されたCNNの番組の中で、「事態を正確に把握する必要がある」と述べ、「うまくいったのか、それとも宇宙に転がり込んだだけなのかを見極めるため」、軌道への打ち上げの最終段階の状況を詳しく調べる必要があると指摘した。