シリア国民評議会は「明らかなリーダーではない」 米国務長官
(CNN) クリントン米国務長官は31日、訪問先のクロアチアの首都ザグレブで記者会見し、シリアの反体制派の中核組織とされてきた「シリア国民評議会(SNC)」について、もはや反体制派の「明らかなリーダー」とは言えないと述べた。
クリントン長官はSNCのメンバーの多くが海外居住者であることを挙げ、「求められているのは今現在、(シリア国内の)前線で戦い、死に瀕している人々の代表だ」と述べた。
長官のこの発言は、来週、カタールの首都ドーハで開かれるシリア問題を話し合う会合の準備の中で出た。来週の会合では、アサド大統領退陣後のシリアの政治指導部の構成について話し合われる。
クリントン長官は、「米政府は、新しい指導体制に入るべき人や組織を推挙した。我々はSNCを反体制派の明白なリーダーだと見なすことはできない」との考えを示した。
長官はSNCについて、「反体制派の一部にはなり得るが、反体制派にはシリア国内にいる人や、耳を傾けるべき正当な意見を持つ人々も含まれるべきだ」として、今後のシリアの舵取りにSNC以外の組織も参加すべきだとの考えを示した。
SNCは昨年、発足したが、シリア国内の反政府勢力からはほとんど信頼を得られていない。停戦に向けて米国を始めとする各国政府と交渉を行う立場と見なされた時期もあったが、オバマ米政権はSNCの内紛などで足並みがそろわない点に不満を抱いていた。
またクリントン長官は、内戦に便乗してシリア国内で勢力を拡大しようとしているイスラム系過激派について、反体制派の対応が不十分だとの懸念を繰り返した。
「私たちが必要としているのは、シリア革命を乗っ取ろうとする過激派に強硬に抵抗した経歴を持つ反体制派だ」と長官は述べた。