劣化ウラン弾の健康リスク、米国防総省がロシアに反論

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戦車「エイブラムス」で訓練を行う米兵=4月12日、ポーランド・ノワ・デバ/Artur Widak/NurPhoto/Shutterstock

戦車「エイブラムス」で訓練を行う米兵=4月12日、ポーランド・ノワ・デバ/Artur Widak/NurPhoto/Shutterstock

(CNN) 米国防総省は7日、ウクライナへの供与を発表した劣化ウラン弾について、がんなどの病気を引き起こすとするロシアの主張に反論した。

国防総省のシン副報道官は「米疾病対策センター(CDC)は、劣化ウラン弾の発がん性を示す証拠はないと指摘している。世界保健機関(WHO)も、ウランや劣化ウランにさらされた後に白血病などのがんが増加した例は確認されていないと報告している。国際原子力機関(IAEA)でさえ、劣化ウランへの暴露とがんの増加、健康や環境への重大な影響との間に立証された関連性はないと明言している」と述べた。

シン氏によると、劣化ウラン弾はウクライナに供与する米戦車「エイブラムス」で使用される対戦車弾としては標準的なものだという。

米国の新たな軍事支援については、ブリンケン米国務長官が6日にウクライナの首都キーウを訪問した際に発表された。米当局者によると、劣化ウラン弾が支援内容に盛り込まれるのは初めて。

劣化ウラン弾は原子力発電所の燃料を製造する際の副産物である高密度金属から作られているため、わずかに放射能を帯びている。今秋ウクライナに到着する予定のエイブラムス戦車から発射することができる。

シン氏は「世界の多くの軍隊が戦車に劣化ウラン弾を使用している」と指摘。「ロシアの戦車に対抗するために最も有効な砲弾だとみられる」としている。

IAEAは劣化ウラン弾について「天然ウランに比べ放射能は相当弱い」としつつも、取り扱いに注意を促している。

劣化ウランは兵士や民間人の遭遇する環境放射線を顕著に増加させることはないが、人体に入ると危険を及ぼしうる。劣化ウラン弾は戦車の装甲に命中した際に発火し、ウランの微粒子を発生させる。これを吸い込んだ場合、血中に入って腎臓を損傷させる可能性がある。

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