米、改良型の「M1A2」を供与へ ウクライナ向けエイブラムス戦車

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米国がドイツで保有するエイブラムス戦車の改良型「M1A2」/Daniel Karmann/picture alliance/Getty Images

米国がドイツで保有するエイブラムス戦車の改良型「M1A2」/Daniel Karmann/picture alliance/Getty Images

(CNN) 米国防総省のシン副報道官は26日、ウクライナに供与するエイブラムス戦車の型式について、「M1A1」の改良型である「M1A2」になると確認した。

シン氏によると、米国にこの戦車の余剰在庫はなく、ウクライナへの供与には「数カ月」を要する見通しだという。

M1A2は旧式のM1A1を大幅改良したもの。A1がアナログシステムなのに対し、A2はデジタルシステムで運用される点が主な改良点となる。

在韓米軍前司令官のロバート・エイブラムス退役陸軍大将は両戦車の違いについて、ダイヤル式の電話とアップルのスマートフォン「iPhone」ぐらい違うと説明した。エイブラムス戦車の名称は同氏の父親に由来する。

エイブラムス戦車の供与を巡っては、米国と同盟国の間で何日も協議が続いた後、米当局者が今週、ウクライナに31台を送る方針を発表した。

バイデン米大統領は25日、ホワイトハウスでエイブラムス戦車に触れ、ウクライナの領土防衛能力の向上と戦略目標の達成につながるとの認識を示した。

エイブラムス氏によると、A2はデジタル化に加え、攻撃力も大幅に強化されている。A2は戦車内で指揮を執る車長が使える独立熱線映像装置を搭載。以前は砲手しかそうした装置を有していなかったが、現在は車長もこれを持ち、目標の捜索と識別を支援できるようになった。

戦車の生存能力も高まり、デジタルシステムの採用で問題発生時に整備担当が問題を特定する試験をするのではなく、戦車の乗員が車内で診断を行うことが可能になる。機動性もあわせたこうした強みはロシア軍に対してはるかに優位性を持つという。

M1A2には3つの種類があるが、どれが供与されるのかは明らかにされていない。

陸軍調達部門幹部のダグ・ブッシュ氏は、エイブラムスの供与で難色を示す理由となっていた戦車に関連する兵站(へいたん)や維持の懸念について、今回の供与の決定で重荷にはならないと語った。

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