米中間選挙に向け中ロの政府系組織が情報工作 FBIが会見
ワシントン(CNN) 米連邦捜査局(FBI)は3日の記者会見で、中国やロシアの政府系組織が来月の米中間選挙を前に、米国の選挙制度に欠陥があるとする誤情報を拡散しているとの警告を発した。
FBIで外国からの干渉を調べるチームの幹部が会見で語ったところによると、ロシア発の工作では、米国人がSNSなどで繰り広げる論争の増幅を図る手口が目立っている。
さらに中国でも、米国の分断を狙った「ロシア式」の活動が増えているという。同幹部は例として、フェイスブックから最近削除された中国発のアカウントを挙げた。バイデン米大統領や野党・共和党のルビオ上院議員をからかう画像などが投稿されていた。
CNNは先週、FBIなどの連邦政府機関が全米各地の選管当局者を対象に非公開の説明会を開き、その中で外国からの情報工作などが話題になったと伝えていた。
米情報当局者らによると、ロシアが2016年の米大統領選に介入してから、複数の外国政府が米選挙に向けた世論の操作や誤情報拡散への関心を強めている。
FBIの同幹部は3日の会見で、イランも米選挙の公正性をめぐる国内の対立につけ込もうとしていると指摘した。
イラン政府系の組織は20年の米大統領選でも介入を図り、トランプ前大統領派の極右組織「プラウド・ボーイズ」を名乗って選管当局者への暴力をあおるサイトを開設していたという。
同幹部は、今回の選挙でそこまでの活動はみられないものの、イランが介入のチャンスを狙う動きに目を光らせていると述べた。