新司令部発足へ、ウクライナ支援に特化 米国防総省

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米欧州軍のカボリ司令官=8月、トルコ・イズミル/Mehmet Emin Menguarslan/Anadolu Agency/Getty Images

米欧州軍のカボリ司令官=8月、トルコ・イズミル/Mehmet Emin Menguarslan/Anadolu Agency/Getty Images

(CNN) 米国防総省がウクライナへの兵器や訓練供与の調整作業を主要任務とする新たな司令部の設置を図っていることが2日までにわかった。2人の米政府当局者が明らかにした。

兵器提供など調整作業の合理化を視野に入れているもので、新たな司令部はドイツ・ウィースバーデンに設ける予定。米欧州軍のカボリ司令官(大将)の指揮下に入るが、新司令部の仕切りは中将級の軍人に委ねられる見通し。

米欧州軍は、西側の先端兵器のウクライナ国境付近への輸送やウクライナ軍に対するこれら兵器の操作訓練での多国間協力を主導してきた。

米政府当局者などはこの司令部新設に関する議論の内容を公にすることについて慎重姿勢を示してきた。ロシアのプーチン大統領に米国はウクライナ戦争の当事者と主張させる隙を与えないためだった。プーチン氏はここに来て核兵器の投入をより強い調子でほのめかしてもいる。

バイデン政権はウクライナへの長期支援を進めることを公に表明。今年2月下旬の軍事侵攻開始以降、ウクライナに160億ドル以上の軍事援助を注ぎ込んでいる。米国防総省は先週、11億ドル相当の新たな援助も発表していた。

米国はウクライナ戦争の初期段階からウクライナが求める様々な種類の装備を迅速かつ効果的に届ける方途を摸索してきた。これらの手続きの終了には通常なら数週間あるいはそれ以上の時間がかかるが、これを一気に数日間に短縮させることを狙った。

ウクライナ軍は侵攻のロシア軍に十分に立ち向かえることを証明。迅速な軍事的勝利をもくろんでいたプーチン氏は消耗戦ともみられる情勢に直面する一方で、ウクライナへ軍事支援を提供する国の数は増えた。

米国、同盟国やパートナー国は40カ国以上が加わるウクライナ支援国グループを発足させて定期会合を毎月開き、ウクライナへの兵器や装備輸送作業を調整している。

米政府当局者によると、ウクライナ支援に関する新たな司令部はこれら輸送作業などを管理するより公的な性格を持つ軍内組織ともなる。司令部が置かれるとみられるドイツ中央部のウィースバーデンは、西側諸国がウクライナ軍兵士の訓練に使う多くの場所が近くに位置する地の利もあるという。

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