プラウドボーイズ幹部、扇動共謀罪で起訴 米連邦議会襲撃事件
ワシントン(CNN) 米司法省は6日、極右の過激派団体「プラウドボーイズ」のトップ、エンリケ・タリオ被告と幹部4人を昨年1月6日の連邦議会議事堂襲撃事件の扇動共謀罪で起訴した。
プラウドボーイズに対するこれまでの起訴で最も重い罪状となる。また、同団体が大統領の権力移行に実力行使で反対を試みたと検察が主張する初のケースとなる。
検察は5人が議員や法執行機関職員を脅して逃亡させ、職務遂行を不能にする目的で協力したと主張している。
検察は、タリオ被告が1月6日のテキストメッセージで、議会襲撃を1917年のロシア革命勃発時に襲われた「冬宮殿」になぞらえていた様子だと主張した。タリオ被告は議場からの退避により選挙人団の票の認証が不可能になるとコメントした様子だという。
ある人物がタリオ被告に「我々は今歴史に影響を与えたのか」と問いかけると、「どうなるかまず見てみよう」とタリオ被告が返答。その人物はさらに「彼らは今日認証する必要がある! さもなければ無効だ」と返したという。
残り4人は地方支部の幹部などで、1月6日に議事堂に向けて行進した際には何の計画もなかったと主張している。一方、タリオ被告の弁護士は、同被告が人種差別への抗議運動「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大事)」の旗を燃やした容疑で前日の5日に逮捕され、ワシントンを離れていたと強調した。
5人ともより軽い罪で既に起訴されている。全員が今週後半に出廷する予定。
プラウドボーイズのメンバーでは、ノースカロライナ出身のチャールズ・ドノホー被告が有罪答弁に応じ、捜査に協力している。ドノホー被告の名前は今回の起訴状にない。
扇動共謀罪は本事件での起訴では最も重い罪で、これまでには極右団体「オースキーパーズ」の幹部らに適用されている。同幹部らは事件での暴力の計画や準備を進めていたとされ、既に扇動共謀罪での有罪答弁が3件得られているという。