ワクチン需要が一部地域で減退、予約埋まらず集団接種会場閉鎖も 米
(CNN) 米オハイオ州マーサー郡で保健当局が新型コロナウイルスワクチン接種のドライブスルークリニックを今年1月に開設した当初、予約はたちまちいっぱいになり、1日で500人以上が接種を受けた。
それから約3カ月後。ワクチンが豊富に供給されるようになり、16歳以上の全住民が接種を受けられるようになったにもかかわらず、当局者によれば予約がなかなか埋まらない状況が続いている。同地区のクリニックで今月に入って1回目の接種を受けたのは約264人と、接種が始まった当初に申し込んだ人数の約半分に落ち込んだ。
「非常に憂慮すべき状況だ」とマーサー郡広報のクリスティー・フライマン氏は言う。同郡の人口は約4万1000人。流行が始まった当初の感染率は州内で最も高かった。「後戻りはしたくない」とフライマン氏は言い添えた。
需要減退を受けて同地区の保健当局は1回目の接種のための集団接種会場を閉鎖することに決め、人手やボランティアなどが少なくて済む小規模のクリニックに切り替えた。
ワクチン需要の減退は同地区に限った現象ではなく、この地域ではほかのワクチン接種機関も同じ問題を報告しているという。オハイオ州の統計によると、同郡では人口の約27%がワクチン接種を開始している。
「地方の人は、特に若い人たちは、自分のことは自分でやるという傾向がある」とフライマン氏。「副反応を見極めたいのでワクチン接種を見合わせている人もいる。ワクチンが新しすぎるという声もある」
近隣のポールディング郡(人口約1万9000人)も似たような状況にある。わずか数週間前までは数百人が待機リストに登録していたが、今では待機リストはなくなった。住民は約29%が接種を開始している。