シリアで拘束の米国人2人を送還、ISIS関与で裁判へ
ワシントン(CNN) シリアで米軍の支援を受け、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」と戦うクルド系とアラブ系の合同部隊「シリア民主軍(SDF)」がこのほど、ISISにかかわった米国人の男女を拘束し、米国へ送還したことが分かった。米司法省が24日に発表した。2人はそれぞれ連邦裁判所で裁かれる。
送還された男は、米国生まれでミシガン州出身のイブラヒム・ムサイブリ被告(28)。2015年4月ごろから今年6月にかけてISISへの物的支援を図り、実行した罪で起訴されている。
同被告は先月、ISISの残党が支配するユーフラテス川中流の渓谷から脱出しようとしていたところをSDFに拘束された。米当局者らが収監先へ出向いて取り調べを進めていた。
同州デトロイトの連邦裁判所で、25日に罪状認否が予定されている。
司法省によると、ムサイブリ被告と同時にインディアナ州のサマンサ・エルハッサニ被告が送還された。ISISのメンバーと結婚し、米連邦捜査局(FBI)にうその供述をした罪に問われている。
エルハッサニ被告に同行していた米国籍の子ども4人は、州当局が保護している。
両被告の引き渡しには、米国防総省が司法省に代わって航空機と乗員を提供したという。
国防総省によると、SDFには現在、600人近い外国人戦闘員が拘束されている。出身国はロシア、ドイツ、フランスなど約40カ国に及ぶ。米当局はSDFの収容施設にかかる負担を軽減するため、各国に自国民を送還させるよう呼び掛けている。