砂丘で性行為する観光客、ビーチの環境を破壊 スペイン領の島

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スペイン領の島にある砂丘の環境が、性行為をする観光客によって破壊されているという/Emmanuele Contini/NurPhoto/Getty Images

スペイン領の島にある砂丘の環境が、性行為をする観光客によって破壊されているという/Emmanuele Contini/NurPhoto/Getty Images

(CNN) スペイン領グランカナリア島にあるマスパロマス砂丘自然保護区。海辺の灯台の背後に広がる砂丘で知られ、島の観光名所の筆頭に挙げられることも多い。しかしこのほど、砂丘内で性行為をする観光客がビーチや自然保護区を徐々に破壊しているとの論文が発表された。

一帯の砂丘は1982年から法的に保護されている。欧州に残る数少ない移動砂丘であり、アフリカと欧州を行き来する渡り鳥にとって休息地の役割を果たす。

だが現在、この砂丘は別の類いの休憩所にもなっている。性的な興奮を求める観光客が砂丘に繰り出しているのだ。

学術誌「ジャーナル・オブ・エンバイロメンタルマネジメント」に発表された今回の論文では、性行為の相手を探して歩き回る「クルージング」と呼ばれる行為に着目。クルージングの場としての使用が自然保護区の環境にもたらす影響を初めて調査した。

研究チームは論文で、茂みや植物密集地、植物の周りにできるネブカ(茂み砂丘)など、計約5.2平方キロの範囲に広がる「セックススポット」を298カ所列挙している。調査を行った2018年5月には、同性愛者の権利を訴えるフェスティバルも開かれていた。

調査の結果、観光客の性行為はネブカのみならず、固有種3種を含む在来植物8種に直接の影響を及ぼしていることが判明。

観光客らは茂みを踏み荒らす、植物や砂を取り除く、自分たちの「巣」をつくる、たばこやコンドーム、トイレットペーパー、缶を捨てるといった行為に及び、砂丘をトイレとして使用する者もいた。

当初は教育目的でつくられた自然保護区だが、こうした観光客の行動の結果、環境教育は全く行われなくなった。島に生息する巨大トカゲが残されたコンドームを食べて死ぬケースもあるという。

最大で年間1400万人が訪れるグランカナリア島は同性愛者に好意的な観光地で、米国や英国、ドイツからの観光客が主な層を占める。論文の著者らは「一部のLGBTQ(性的少数者)のコミュニティーを批判する意図」はなく、砂丘で性行為に及んでいるのはLGBTQの観光客だけではないと強調する一方、マスパロマスでは「クルージングが公然と行われている」と指摘している。

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