インターネットの未来にかかわる投票、米国がロシアに圧勝 国際電気通信連合事務総局選

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国際電気通信連合(ITU)の式典に出席したドリーン・ボグダンマーティン氏=26日、ルーマニア・ブカレスト/Andreea Alexandru/AP

国際電気通信連合(ITU)の式典に出席したドリーン・ボグダンマーティン氏=26日、ルーマニア・ブカレスト/Andreea Alexandru/AP

ワシントン(CNN Business)  世界のインターネットの発展を主導する国連機関、国際電気通信連合(ITU)は29日、米国が後押しするドリーン・ボグダンマーティン氏を次期事務総局長に選出した。

ボグダンマーティン氏は加盟国による投票で、ロシアが推していたラシド・イスマイロフ氏に圧勝した。米国とロシアの緊張が高まる中、今回の投票は地政学的な象徴であり、国家によるネット検閲への不安に対する答えと受け止められている。

ボグダンマーティン氏は172票中、139票を獲得した。一方、イスマイロフ氏の得票は25票にとどまった。

ボグダンマーティン氏は米ニュージャージー州の出身で、ITUで30年近い実績をもつベテラン。ITUのトップに女性が就任するのは初めて。

同氏は29日、「ITUの事務総局長に選出されたことを栄誉に思う。加盟国が私に寄せてくれた信頼に感謝する」とツイートした。

米国側は投票を前に、ボグダンマーティン氏を推すキャンペーンに力を入れ、自由で開かれたインターネットの転換点とも形容していた。ロシアや中国などの国家が市民のデジタルの自由を締め付ける中で、そうした原則は脅かされつつある。

米国のジョー・バイデン大統領は先週、国連加盟国に対してボグダンマーティン氏支持を呼びかけ、同氏がITU事務総局長になれば、特に開発途上国で、インターネットを包括的で誰でもアクセスできるものにする一助になると訴えていた。

今回の投票は、インターネットの未来をめぐるイデオロギー対立を反映していた。専門家によると、もしロシア側が勝利していた場合、携帯電話から人工衛星、インターネットまで幅広い分野に及ぶ通信規格の策定に関し、各国政府の権限が強化される可能性があった。

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