米アマゾン、NY市の第2本社計画を撤回 地元の反対受け
ニューヨーク(CNN Business) 米アマゾン・ドット・コムは14日、米ニューヨーク市クイーンズ地区に第2本社を建設する計画について、地元の強い反発を受けて撤回を決めたと発表した。
アマゾンの声明では、「州や地元の議員多数が我々の存在に反対し、我々に協力しない姿勢を鮮明にした。プロジェクト推進のためにはそうした関係の構築が必要だった」と強調している。
アマゾンは1年がかりで候補地選びを行った結果、昨年11月、ニューヨーク市とバージニア州北部を第2本社の建設地として選定。それぞれで2万5000人以上の雇用を見込んでいた。
第2本社については、当初は雇用創出につながるとしてニューヨーク州のクオモ知事をはじめとする地元政治家も歓迎し、ニューヨークがシリコンバレーに対抗できるIT産業の集積地になるとの期待も高まっていた。
しかし計画が発表されると、ニューヨークがアマゾン誘致のために打ち出した15億2500万ドル(約1700億円)の助成金などに批判が集中。家賃が高騰して長年の住民が住み続けられなくなる恐れもあるとして、地元住民などが抗議デモを展開していた。
計画の撤回に対して地元政治家からは落胆や戸惑いの声が上がっている。ニューヨーク市のデブラシオ市長は14日のツイッターで、「タフでなければニューヨーク市へは進出できない。我々はアマゾンに、良き隣人となって世界一素晴らしい都市でビジネス展開するチャンスを与えた」と述べ、「地元と連携する代わりに、アマゾンはそのチャンスを捨てた」と批判した。
一方で、隣接するニュージャージー州のマーフィー知事はすかさず声明を発表し、同州のニューアークを第2本社の建設地に選ぶよう促した。