インドIT大手、就職先としての魅力減少 学生は海外志向
ニューデリー(CNNMoney) インドのIT大手3社は、国内の工学系の学生にとって魅力的な就職先ではなくなりつつある――。こうした実態が市場調査企業ユニバーサムがこのほど発表したランキングで明らかになった。
ユニバーサムが毎年発表しているランキングで、工学系の学生が就職を希望する先として、今年は上位10社に名を連ねたのはグーグルやマイクロソフトなど米国のIT大手だった。
インドのIT大手であるインフォシスとタタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)、ウィプロはいずれも上位10社に入らなかった。インフォシスは初めて上位10社から脱落し、昨年の9位から13位に。アウトソーシング大手のTCSは14位から18位にダウン。ウィプロも17位から25位に順位を落とした。
ユニバーサムの調査部門の幹部は、「ここ数年は国内企業に代わり多国籍企業の存在感が高まりつつある」と指摘する。フェイスブックやアップルといった企業のほうがインド企業よりも創造性があり、ダイナミックな職場環境だとみなされているという。
インドの企業で上位10社に入ったのは、建設系のラーセン・アンド・トゥブロと電機大手のバーラト重電機(BHEL)の2社だけだった。
2万9000人を対象とした調査では、43%が国際的なキャリアを積みたいと回答したという。こうしたことを考えると、インフォシスやウィプロといった企業にとっては学生に就職機会を提供することがより難しくなりそうだ。