Fashion

都立高、物議醸した服装規定を撤廃

伝統的な制服を着て下校する日本の小学校の女子児童

伝統的な制服を着て下校する日本の小学校の女子児童/ Stanislav Kogiku/SOPA Images/LightRocket/Getty Images

何十年にもわたり、東京都で学生であるということは、一定の格好をしなければならないということを意味していた。公立校の服装規定では、すべての生徒は、髪を黒く染めなければならず、特定の髪型は禁止され、下着にさえ色の指定があった。

しかし、こうした校則には最近、厳しい視線が注がれるようになり、時代遅れだとの批判が出ていた。そして、今週に入り、こうした校則の撤廃が発表された。

全部で5つの校則が東京都の約200の公立校で撤廃される。撤廃されるのは、髪や下着の色に関する校則や、トップを長めにして後ろや横を短くする「ツーブロック」を禁止する校則だ。ツーブロックの髪型は多くの国で流行している。

生徒に対する罰として自宅謹慎を行うことや、「高校生らしい」といった曖昧(あいまい)な表現を指針に使うことも廃止となる。

校則の変更は新学期が始まる4月1日から実施される。東京都教育委員会は昨年、学校や生徒、保護者を対象に校則についての調査を実施していた。

厳しい服装規定を設けているのは東京都だけではない。似たような校則は事実上、日本中に存在しており、多くの学校は生徒に対し、指定された色の靴や靴下を履くよう求めている。

朝日新聞によれば、九州の福岡の学校でも生徒の髪型を制限する規則があるほか、下着の色や柄を指定している。

朝日新聞によれば、福岡は昨年、東京都と同様な調査を行い、その中で生徒は、服装規定によってストレスを感じ、自己表現が制限されると不満を述べていた。

この問題は2017年に大阪府の高校生が学校を訴えたことで注目を集めた。裁判は全国的な注目を集め、抑圧しようとする服装規定に関する幅広い国民的な議論を促した。

朝日新聞によれば、この女子生徒は、入学時に生まれつき茶色の髪を黒く染めるよう強制され、茶色の髪が生えるたびに毎回染め直すよういわれたという。女子生徒は最終的に十分な頻度で髪を染めなかったとして罰則を与えられた。

訴訟のなかで、繰り返しの染色は髪や頭皮にダメージを与え、精神的な苦痛を引き起こしたとしている。女子生徒は昨年、勝訴し、損害賠償として33万円を受け取った。

他の生徒や家族も同様の不満を口にしており、一部の学校は服装規定の変更を発表している。

朝日新聞によれば、山口県宇部市の学校は今春、「ジェンダーレス」の制服を市内で初めて導入した。すべての性別の学生が、スラックスかスカートを選ぶことができる。依然として厳格な男女別の服装規定が広く存在している日本での大きな変革となった。

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