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タイタニックの無線通信士が書いた絵はがき、160万円で落札も

タイタニックの無線通信士が書いた絵はがきが競売にかけられる

タイタニックの無線通信士が書いた絵はがきが競売にかけられる/Courtesy RR Auction

英豪華客船「タイタニック」の乗員によって沈没のわずか3週間前に書かれた絵はがきが競売にかけられている。落札額は1万5000ドル(約160万円)に上る可能性がある。

タイタニックの上級無線通信士ジャック・フィリップスさんは1912年3月、同船の建造が行われたアイルランド・ベルファストの港から、姉妹のエルシーさん宛てにこの絵はがきを書いた。タイタニックは3月末に完工、4月2日にドックを離れた。

手紙は縦約9センチ、横14センチの絵はがきに書かれ、建造中のタイタニックの姿をあしらっている。消印はベルファストのもの。

はがきには「すごく忙しくて遅くまで働いていた」「月曜にここを離れ、水曜にはソトン(サウサンプトン)に到着したい。どうかお元気で」などの文言が書かれ、「ジャックより、愛を込めて」との言葉で結ばれている。

絵はがきのデザインは建造中のタイタニック/Courtesy RR Auction
絵はがきのデザインは建造中のタイタニック/Courtesy RR Auction

競売を手掛ける米ボストンの企業、RRオークションのボビー・リビングストン執行副社長は「フィリップスは自分の乗る船を描いた絵はがきを選ぶことが多かった」と語る。

「我々の調査によると、エルシーが保管していた絵はがき300枚のうち、タイタニック関連のものは5枚のみ。絵はがきの表に船体をあしらっているのは2枚だけで、極めて希少な例といえる」(リビングストン氏)

リビングストン氏によると、フィリップスさんは忘れられた英雄で、沈み始めたタイタニックから多くの命を救った。乗客乗員の救出を支援してもらおうと、他の船に休みなくメッセージを送信した。

タイタニックは1912年4月14日夜、北大西洋を航行中に氷山に衝突、乗客乗員1500人以上が死亡した。RRオークションによると、当時25歳のフィリップスさんは脚まで浸水した船を捨て、ひっくり返った救命ボートの上にたどり着いたものの、厳しい寒さにさらされ亡くなった。

フィリップスさんの絵はがきの競売は今月14日に締め切られる予定。RRオークションによると、落札額は1万5000ドルに達するとみられている。

タイタニックゆかりの品が売りに出されるのは初めてではない。2015年には、同船のファーストクラスの昼食メニュー表が8万8000ドルで落札された。この時は、他の人を助けないで船から遠ざかるよう、救命ボートの船員に賄賂を贈ったとされる男性の手紙も7500ドルで落札されている。

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