猫の糞便の寄生虫、恐怖心抑えて起業を後押し? 米研究

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猫の糞便などから感染するトキソプラズマには、恐怖心を抑え、リスクへの挑戦を促す可能性があるとの研究結果が発表された/Photo Illustration/Thinkstock

猫の糞便などから感染するトキソプラズマには、恐怖心を抑え、リスクへの挑戦を促す可能性があるとの研究結果が発表された/Photo Illustration/Thinkstock

(CNN) 猫の糞便(ふんべん)などから感染する寄生虫のトキソプラズマには、恐怖心を抑え、起業家に特徴的なリスクに挑戦する思考を促進させる効果があるかもしれない――。コロラド大学ボルダー校の研究チームがそんな研究結果を発表した。

この研究は25日の学術誌に発表された。研究チームによれば、トキソプラズマは主に猫の糞便を通じて人に感染する。大抵の場合、感染しても風邪のような症状が出る程度だが、体内にはとどまり続け、脳に到達することが多いという。トキソプラズマに感染している人は世界で推定20億人に上る。

トキソプラズマは、ネズミに感染すると、猫に対する恐怖心を薄れさせる効果がある。人間の場合、運転中の激情や自殺、統合失調症との関係も指摘されており、危険な死に方をした人は、トキソプラズマに感染していた確率が高いことも分かっているという。

トキソプラズマがドーパミンやテストステロンの分泌量増大にかかわっていると示唆する研究もある。ドーパミンは快楽や報酬を経験したり予想したりすると脳内で放出される。テストステロンは男性器の発達を促すホルモンだが、危険で攻撃的な行動の増加につながる場合もある。

コロラド大学の研究チームはビジネス専攻と生物学専攻の学生の唾液(だえき)を5年間にわたって継続調査してトキソプラズマ検査を行い、ビジネス専攻の学生には関心がある分野について尋ねた。

その結果、ビジネス専攻の学生は、それ以外の専攻の学生に比べてトキソプラズマの感染率が1.4倍に上ることが判明。ビジネス専攻の学生の中でもトキソプラズマに感染している学生は、1.7倍の割合で会社経営や起業指向が強いことが分かった。

さらに起業イベントの参加者を対象とした唾液検査も実施。トキソプラズマの陽性反応が出た参加者は、非感染者に比べて1.8倍の確率で起業していることが分かった。

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