活性化する中国美術市場 アーティストもバイヤーも存在感
香港(CNN) アジアの美術市場はこれまで、知識が豊富な投資家や中国の新興富裕層によって牽引(けんいん)されてきた。だが、マーケットの成熟や中国人アーティストの台頭によって、そうした状況も変わりそうだ。
美術オークションの調査会社アートプライスによれば、これまでの美術品への投資は株式市場への投資のように行われていた。香港では中国人バイヤーの評判が悪く、その成功に水を差していた。クリスティーズやサザビーズといった競売大手は、法廷闘争にまで至った料金の未払いを経験している。そのため、今ではバイヤーに対して100万香港ドル(約1300万円)の預託を行うよう求めているという。
しかし、こうした状況も変わりつつある。クリスティーズのフランソワ・クリエル氏は先ごろ行われたオークション後の取材に対し、「堅実な落札価格だった。投機目的のバイヤーはいなくなったようだ」と語った。
クリスティーズは先ごろ香港で行った年に1度の秋のオークションで3億3400万ドルを売り上げた。3年前には香港での売り上げは世界全体の3%に過ぎなかったが、いまでは20%を占めるまでになったという。