宇宙における金の起源、中性子星の衝突以外にも発見? 「マグネター」のフレアから生成か

「マグネター」が宇宙に物質を放出する様子を描いた想像図/NASA/JPL-Caltech

「マグネター」が宇宙に物質を放出する様子を描いた想像図/NASA/JPL-Caltech

恒星の信号を追跡する

研究チームは、マグネターフレアからの放射と重元素の形成の間につながりがある可能性に着目し、可視光線と紫外線の波長にその証拠を探した。だがバーンズ氏は、フレアが追跡可能なガンマ線も生成しているのではないかと考えた。

バーンズ氏は最後に確認された2004年12月の巨大マグネターフレアのガンマ線データを調査。天文学者たちはこの信号を発見して特徴を調べていたものの、当時はどう解釈すれば良いか分かっていなかった。

メッツガー氏の以前の研究で提案されたモデルによる予測は、04年のデータの信号とほぼ一致した。このガンマ線を調べたところ、巨大マグネターフレアにおける重元素の生成と分布に関して研究チームが提示した内容と類似していた。

NASAの退役した人工衛星RHESSIなどのデータも、研究チームの発見を裏付けた。バーンズ氏によると、発見を可能にしたのは、連邦政府からの長期的な資金提供だった。

ただ、17年の中性子星衝突によって放出されたX線の発見を主導したローマ大学のエレオノラ・トロヤ准教授は、マグネター関連の事象から重元素が生成したという証拠は「17年に収集された証拠とは全く比較にならない」と説明。「このマグネターからの金の生成は、ガンマ線グローの考えられる説明の一つであり、論文の末尾で誠実に論じられているように、他にも多くのある説明の一つに過ぎない」との見方を示した。

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