スペースXの宇宙船がISS到着、滞在長期化の2人加えて来年帰還
(CNN) 米スペースXの有人宇宙船「クルードラゴン」が29日、国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングした。別の宇宙船のトラブルのため滞在が長引いていた米航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士2人はクルードラゴンに乗って来年、地球に帰還する。
クルードラゴンはNASAのニック・ヘイグ宇宙飛行士とロシアのアレクサンドル・ゴルブノフ宇宙飛行士の2人を乗せて、米東部時間の29日午後5時半ごろ、ISSにドッキングした。同船は2人分の空席を確保してあり、地球へは来年、サニ・ウィリアムズとバッチ・ウィルモアの両宇宙飛行士を加えた4人で帰還する。
ウィリアムズさんとウィルモアさんは、米ボーイングの宇宙船「スターライナー」のテスト飛行で6月にISSに到着した。当初は1週間のみの滞在予定だった。しかしスターライナーがヘリウム漏れや推進装置の不具合などの問題に見舞われたことから、2人が同船で地球に戻るのは危険すぎるとNASAが判断。スターライナーは9月6日に無人で地球に帰還して、ウィリアムズさんとウィルモアさんのISS滞在が長引いていた。
米東部時間の午後7時4分ごろ、ハッチが開くとヘイグさんとゴルブノフさんがISSに入り、ウィリアムズさんやウィルモアさん、ISS滞在のクルーらが加わってヘイグさんとゴルブノフさんの歓迎会が開かれた。
クルードラゴンを搭載したロケット「ファルコン9」は現地時間の28日午後にフロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地から打ち上げられ、予定通り軌道に入った。しかしスペースXは後になって、ファルコン9の2段目で、クルードラゴンを切り離した後に問題が発生していたことを明らかにした。
「ファルコン9は打ち上げに成功した後、予定通りに2段目が海に投棄されたが、想定外の軌道離脱燃焼が発生した」「2段目は無事に海上に着水したが、目標の範囲外だった」。スペースXはX(旧ツイッター)への投稿でそう説明している。
スペースXは今回の異常について調査する間、ファルコン9の使用を見合わせる意向で、「根本原因への理解が深まった後に打ち上げを再開する」としている。