花粉シーズン到来、1カ月以上早まる予想 花粉量も大幅に増大 米研究

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これまで違った樹木花粉の飛散時期が、今後重なり合い高濃度になると予想されている/David Goldman/AP

これまで違った樹木花粉の飛散時期が、今後重なり合い高濃度になると予想されている/David Goldman/AP

風に乗って運ばれる花粉の飛散は、気温や雨量の変化と密接に関係している。気候変動で春の到来が早まり、気温も上昇すれば、植物が花粉を飛ばす時期も大幅に早まって、現在よりも長期化する。

気候変動は、冬の寒冷時間や春の霜のない日数にも影響を及ぼし、それが花粉シーズンのタイミングや期間に影響を与える。

米南部の気温が上昇し、南西部が干ばつに見舞われる中、そうした地域では北部に比べ、ブタクサやイネ科の植物の花粉量が増えると予想されている。

花粉シーズンが早まり、長期化すれば、公衆衛生の緊急事態を引き起こしかねないと研究者は予想する。米疾病対策センター(CDC)によると、米国では2400万人以上が、花粉を原因とする呼吸器系アレルギーや花粉症を経験している。

社会経済への影響についてはさらなる研究が必要だが、結果的に欠勤や学業の欠席、医療費、早死になどを原因とする大きな経済損失につながり得るとシュタイナー氏は言う。

国連の最近の報告書では、地球温暖化ガスは緑地の樹木や植物を増やすことで削減できると強調しているが、そうなれば花粉量が増える可能性もある。ただ、全ての植物が花粉を発生させるわけではなく、植樹する樹木の種類を慎重に選んでいる限り、樹木が増えて花粉の濃度が強まることを心配する必要はないはずだとシュタイナー氏は指摘した。

気候危機に対応できる時間は残り少なくなっている。世界が温暖化ガスを大幅に削減しながら、同時に大気中の二酸化炭素を管理可能なレベルまで引き下げることができれば、予想されたような事態は避けられるとシュタイナー氏は述べ、「2050年~2100年の間に何が起きるかは、人間の選択にかかっている」「それが変わることを心から願う」と語った。

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