バイキング、1000年前の時点で北米に定住 木片の年代分析で判明

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ニューファンドランド島の入植地近くに再現されたバイキング時代の建造物/Glenn Nagel Photography/Shutterstock

ニューファンドランド島の入植地近くに再現されたバイキング時代の建造物/Glenn Nagel Photography/Shutterstock

(CNN) かつて北欧を起点に各地を征服したバイキングは帆船に乗って大西洋を渡り、今からちょうど1000年前の1021年には北米のカナダに入植していたとする新たな研究結果がこのほど発表された。米州地域にやってきた最初期の欧州人について、具体的な年代が示された形だ。

研究ではバイキングが残した木片を分析した。場所はこれまで年代が特定されていなかったカナダ東部沖合にあるニューファンドランド島の入植地。大西洋を渡って米州にたどり着いた人間の記録としては、これまで知られる中で最も古いものになる。

年代特定の決め手になったのは、道具によって切り出した木片と1000年以上前に発生した太陽風だ。

「ランス・オ・メドー」の名で知られるこの入植地にたどり着いたバイキングは、金属製の刃を使って木々を切り倒した。当時現地に暮らしていた先住民はこうした道具を作っていなかった。入植地には異なる3本の木から切り出した木片が残されていた。

木片の年輪を調べたところ、西暦993年のものとして知られる特徴を確認。この前年、巨大な太陽風が発生し、高エネルギーの粒子からなる宇宙線が太陽から光に近い速度で放出されたことが分かっている。

論文の筆頭著者を務めたオランダ・フローニンゲン大学のマイケル・ディー准教授によると、太陽風の影響で世界中の年輪の記録には992~3年の時点で放射性炭素濃度の著しい上昇がみられる。

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