フランス語の「COVID」は女性名詞、学術機関が裁定
(CNN) COVID―19(新型コロナウイルス感染症)は「男性」なのか、「女性」なのか――。フランス人にとってこれは何カ月も前からの謎だった。つまり、文法上、定冠詞は男性名詞に付ける「ル(le)」と女性名詞に付ける「ラ(la)」のどちらを使うべきなのかが定まっていなかった。
男性の定冠詞を使う人も増えていたものの、フランス語の保全を担う学術機関のアカデミー・フランセーズはこのほど、COVID―19を女性名詞とする見解を発表した。
アカデミー・フランセーズは、フランス語を英語化などの脅威と見なした現象から守ることを目的とする機関で、名詞の性別を分類する役割も担っている。
その機関が、国民が使うべきは「le COVID―19」ではなく、「la COVID―19」だと判断した。
略語や頭文字を使った単語の性別は、その単語を構成する中核的な略語の性別によって決定される。
例えばCIA(米中央情報局)という単語の場合、フランス語で中央情報局を意味する「Agence centrale de renseignement」の「agence」が女性名詞であることから、CIAは「la CIA」と表記される。
COVIDは英語の「coronavirus disease」の略語で、フランス語にすると「maladie provoquee par le corona virus(コロナウイルスが引き起こす疾病)」と翻訳される。
「Maladie」は女性名詞なので、定冠詞は「la」を使う。従って、COVID―19も「la COVID―19」とすべきだと判断した。
ただし国民が「le COVID―19」をやめ、「la COVID―19」と言ってくれるようになるかどうかはまだ分からない。