世界の雇用の4割、AIにより壊滅の恐れ IMF

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IMFによると、世界の雇用の40%近くがAIの台頭で影響を受ける可能性がある/Johannes P. Christo/Reuters

IMFによると、世界の雇用の40%近くがAIの台頭で影響を受ける可能性がある/Johannes P. Christo/Reuters

香港(CNN) 国際通貨基金(IMF)によると、世界中の雇用の40%近くが人工知能(AI)の台頭で影響を受ける可能性がある。こうした流れは格差を深刻化させる公算が大きい。

IMFのゲオルギエバ専務理事は、14日のブログへの投稿で各国政府に対し、社会的セーフティーネットの構築や再教育プログラムの提供を通じてAIの衝撃に対抗するよう求めた。

ブログでは「ほとんどのシナリオにおいて、AIは全体の格差を悪化させる公算が大きい。問題のある傾向で、政治家は積極的に対処し、テクノロジーが社会の緊張をかき立てるのを食い止めなくてはならない」と訴えた。

投稿は、スイス・ダボスで15日から開催される世界経済フォーラム(WEF)の年次会合に先駆けて公開された。会合でAIは主要な議題になるとみられている。

ゲオルギエバ氏によれば、AIは職場や企業への導入が相次いでいるが、今後は従業員にとって利益と害の両方をもたらすことが予想されるという。

こうした影響は、新興国市場よりも先進国経済においてより深刻に感じられる見込みだ。事務系職員の方が肉体労働者よりもリスクが大きいと見られているのがその一因だという。同様の警告は、かねて他の専門家らも発していた。

たとえばより先進的な国々では、最大6割の雇用がAIによる影響を受ける可能性がある。そのうち約半数には生産性向上の恩恵をもたらすかもしれないが、残る半数については現在人間の行っている作業をAIが担うことになるとみられる。それは賃金の低下や雇用削減を引き起こす。

ゲオルギエバ氏はIMFの分析を引用し、「最も極端なケースでは、そうした仕事の一部が消滅しかねない」と警鐘を鳴らした。

新興国市場と低収入の国では、それぞれ40%、26%の仕事がAIの影響を受けると予想される。前者はインドやブラジルのような持続的に成長している国々、後者は国民1人当たりの収入が一定の水準で低下している国々でブルンジ、シエラレオネなどが該当する。

ゲオルギエバ氏は、AIの使用で社会不安の恐れが拡大すると指摘。若年層がテクノロジーを利用して生産活動を拡大する一方、より年長の労働者がそのペースに容易に追いつけなくなればそうした懸念は特に高まるとした。

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