日本国内の差別を描いたナイキ広告に激しい論争、ボイコット呼びかける声も

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
日本国内の差別を描いたナイキの広告に様々な意見が飛び交っている/Thomas Trutschel/Photothek via Getty Images

日本国内の差別を描いたナイキの広告に様々な意見が飛び交っている/Thomas Trutschel/Photothek via Getty Images

香港(CNN Business)  さまざまな背景をもつサッカー選手3人の経験を描いたナイキジャパンの広告に対し、ネット上で激しい論争が巻き起こっている。一部ではナイキ製品のボイコットを呼びかけるコメントも書き込まれた。

「The Future Isn't Waiting(未来は待ってくれない)」というタイトルのこの広告は、10代の選手たちが人種などの違いを理由にいじめに遭い、やがてサッカーを通じて自分に自信を持つようになるというストーリー。

ツイッターでは3日午前までに1630万回あまり再生され、9万1000の「いいね」を獲得した。ユーチューブでは1000万回以上再生されて4万人あまりがコメント。約7万1000の「高評価」を獲得した半面、「低評価」も5万に上っている。

ソーシャルメディアでは「素晴らしい」などと称賛する声も多く、ツイッターには「無意識の行動が日常生活でどれほど人を傷つけているかを物語る」といった内容のコメントが書き込まれた。

一方で、この広告が現代の日本社会を不正確に伝えていると見るユーザーもいる。

「ナイキは日本人を敵に回した。この広告のことを知らない日本人はナイキを買い続けるかもしれないけれど、私はもう絶対ナイキを買わない」「これは本当に危険だ。分断につながる。その上彼らはこれでもうけている。吐き気がする」。ユーチューブにはそんな内容の書き込みもあった。

日本は大部分が単一民族社会で構成されているが、ここ数年はテニスのスター選手、大坂なおみさんのように多様な背景をもつ有名人が脚光を浴びることも多くなった。

このために日本人のアイデンティティーに関する疑問が浮上し、無意識の偏見に向き合う必要に迫られている。

ナイキの広告に登場する女子サッカー選手3人のうち1人は日本人、もう1人は韓国人、3人目は黒人の父と日本人の母をもつハーフだった。

韓国人の少女は「現代の在日問題を考察する。」というコラムを読み、日本人の少女は学校でいじめられて両親からは成績のことで責められ、ハーフの少女は同級生に取り囲まれて髪を触られる場面がある。

やがて3人ともサッカーを通じて自分を開花させ、仲間たちに認められるようになる。

ナイキジャパンの広報は3日、この広告について、実在のアスリートの証言に着想を得たもので、自分が望む変化を創り出したいと思う若者に力を与える手段としてのスポーツにスポットを当てたと説明。「差別は世界的な問題であり、世界中に存在する。実在のアスリートの証言が私たちを動かして、いじめや差別の問題について行動を起こし、もっとオープンに語ろうという気持ちにさせた」と話している。

「日本」のニュース

Video

Photo

注目ニュース

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]