コロナウイルスの万能ワクチン、開発には「数年必要」 ファウチ所長

新型コロナウイルスの患者の治療にあたる看護師。ファウチ大統領首席医療顧問はさまざまなコロナウイルスに効くワクチンの開発には数年が必要との見方を示した/CNN

2022.01.30 Sun posted at 18:45 JST

(CNN) 米国のファウチ大統領首席医療顧問(米国立アレルギー感染症研究所長)は30日までに、科学者たちは既知のコロナウイルスや新型コロナウイルスの多種の変異株などに等しく有効的なワクチン完成に全力を尽くしているが、開発には「数年間」要するとの見解を示した。

米ホワイトハウスでの新型コロナに関する記者会見で表明した。このワクチンを「汎(はん)コロナウイスルワクチン」などとも形容した。

既知のあるいは現時点でも知られていない種類のコロナウイルスに対して広範かつ持続的な有効性を確保するには革新的な方法が必要と主張。

国立アレルギー感染症研究所は新型コロナウイルス禍の開始以降、コロナウイルスの研究全般に30億ドル(約3450億円)以上投入したとし、汎コロナウイスルワクチンの候補の調査研究部門も含まれるとした。

その上で、同ワクチンが1、2カ月で誕生するような考えは持って欲しくないとも訴えた。ただ、これらワクチンの一部は臨床試験(治験)の第1段階に既にあるとも明かした。

「既存のワクチンが強力な防御力を持っていることを忘れないで欲しい」とも主張。「特に追加接種のブースターは新型コロナの重症化や死亡の防止に効果的」とも強調した。

人間に感染するコロナウイルスは1960年代半ばに初めて突き止められた。これまで7種類が特定され、4種は通常の風邪をもたらすもので、ほかの3種は中東呼吸器症候群(MERS)、重症急性呼吸器症候群(SARS)に新型コロナウイルス感染につながる「SARS―CoV―2」となっている。

ファウチ所長によると、感染拡大への懸念を抱かせる新型コロナの変異株は2020年9月以降、5種類判明し、アルファ、ベータ、ガンマ、デルタに現在猛威を振るっているオミクロンとなっている。

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