(CNN) 米国で新型コロナウイルス感染症の新規感染件数のうち過半数が、より感染力が高く、より危険である可能性があるとされる変異株(デルタ株)であることがわかった。米疾病対策センター(CDC)の試算で明らかになった。
CDCによれば、米国での新規感染のうちデルタ株が51.7%を占めた。これまで数カ月にわたって感染の多くを占めていた「アルファ株」の割合は28.7%だった。
米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は6日、CNNの番組で、「もし、ワクチンを接種するための理由があるならば、これがそうだ」と述べた。
ファウチ所長はデルタ株について、ワクチン接種をしていない人たちにとって「大きな脅威だ」と指摘した。ファウチ所長によれば、デルタ株は感染力が強いだけでなく、より重い症状を引き起こす可能性がある。
保険当局者はワクチン接種率が低い地域の人々にとって特に危険性が高いとの見方を示す。
ブラウン大学公衆衛生学部のアシシュ・ジャー博士は「我々はすでにワクチン接種率が低い場所でデルタ株による比較的大きな感染爆発が始まっているのを目にしている」と指摘。アーカンソーやミズーリ、ワイオミングなどの州で入院数や死者数がより多くなっているという。
南部や南西部、中西部で新型コロナウイルスの感染拡大が始まっているが、アラバマやアーカンソー、ルイジアナ、ミシシッピといった州はワクチン接種率が最も低い州となっている。
ジョンズ・ホプキンス大学の最近のデータによれば、平均よりもワクチン接種率が低い州は、平均よりもワクチン接種率が高い州と比較して新型コロナウイルスの新規感染の割合が約3倍となっている。
ジャー博士は「感染率が低く、ワクチン接種率が高い地域にいて、自身がワクチン接種を完了していれば屋内でマスクを着用する必要はない」としながらも、もしワクチン接種を完了していてもミズーリ州にいるなら、屋内ではマスクを着用するだろうと語った。