匿名富豪が街中に現金隠して「善意のゲーム」 米

街中で100ドル札が見つかるかも?

2014.05.28 Wed posted at 17:10 JST

サンフランシスコ(CNN) 米カリフォルニア州の富豪がサンフランシスコの街を舞台に、100ドル(約1万円)札などを公共の場に隠してヒントをツイートする「宝探しゲーム」を始めた。「人々を笑顔にしたい」という善意の試みが話題を呼んでいる。

同市内では23日以降、100ドル札や封筒入りの20ドル札数枚があちこちで見つかっている。1日当たりの総額は1000ドルほど。「Hidden Cash(隠された現金)」と題したツイッターの専用ページには、「宝」を捜し当てた市民らの笑顔の写真や現金の使い道が掲載されている。

匿名の人物は不動産投資家で、米国内で上位1%の富裕層に入るという。CNNとの電話インタビューで語ったところによると、最近数千万円単位の利益につながる契約が成立したのを機に、富を社会に還元しようと思い立った。

「組織化された慈善活動ではなく、楽しくて創造的なことがしたかった」「簡単に実行できるのもポイントだ」と話す。

自身について公表しているのは、年齢が35~45歳ということだけ。今のところ、地元放送局で流れた音声インタビューを聞いてピンときた友人たちだけが、彼の正体を知っている。

ツイッターのフォロワー(閲覧者)数は、27日午後の時点で7万人に達した。「政治や宗教、ビジネスとは一切無関係。自分の受けた恩を、次は不特定の人たちに送るというのが趣旨だ」と強調する。支援者さえ確保できれば、今週中にもロサンゼルスなどほかの都市に手を広げたいという。

匿名の男性は、「自閉症の息子が見つけてくれた、同じビーチにいた人たちと分け合った、同僚たちにに昼食をごちそうした、慈善団体に寄付するつもり――など、心温まる話が多数寄せられている。今後も無期限で続けていきたい」と声を弾ませる。

さらに、全米の富裕層もぜひ後に続いてほしいと語り、「これがひとつの運動となって連鎖的に広がることを望んでいる」「投資が成功して大きな利益を手にした時と同等か、それ以上のやりがいを感じられる」と力を込めた。

市民からはローン返済や子どもの学費、歯の治療などにお金が必要だと訴えるメールも殺到しているが、「それらは私の想定を超えている」と指摘し、「これはあくまでゲーム。家計の救済策としては期待しないで」と話している。

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