大気汚染が広げる北京の環境格差<3> 経済損失は60兆円

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大気汚染厳しい北京、その暮らしとは

北京(CNN) 中国・北京に住む富裕層は大気汚染から逃れるために空気清浄機を導入するなどの対策を取っているが、普通の北京市民には、こうした費用は出せそうもない。北京大学の報告書によると、平均年収は1万7000ドルを下回る。中国のエリートや超富裕層は自衛のための措置を講じることができる一方で、自分たちはそうした対策を取れないとの不満の声も高まっている。

前回「大気汚染が広げる北京の環境格差<2> 『吸う空気』すら異なる」はこちら

米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)のバーバラ・フィナモア氏は昨年5月、大気汚染をめぐる懸念は中国の社会的な安定を脅かす規模に達したと指摘した。

中国は世界最大の温暖化ガス排出国だ。経済が被る損失は大きく、ランド研究所によれば、2012年の環境汚染による経済的損失は約5350億ドル(現在のレートで約60兆円)に達したという。

中国政府は大気の質が切迫した問題であることを把握しており、2014年には「汚染との戦い」を公に打ち出している。

裕福になった中国の中上流階級は海外を旅行し、世界事情への知見を増やせるようになった。汚染の危険性について知り、それを避ける術を学ぶことも可能になった。

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