スペイン南部と東部で激しい鉄砲水、300ミリ超える雨も
(CNN) スペイン南部と東部の一部で29日、激しい鉄砲水が発生した。一部地域ではわずか数時間の間に最大300ミリを超える雨が降った。
バレンシア市の様子を捉えた映像には、泥色の水が道にあふれ、壁が破壊され、駐車場の車が押し流される様子が映っていた。
スペインのサンチェス首相は、洪水のために不特定多数の人々が行方不明になっていると明らかにした。サンチェス氏は国民に対し、「細心の注意」を払って行動し、不要不急の移動は避けるよう呼び掛けた。
スペイン政府は29日、緊急対応のための委員会を設置した。サンチェス氏が委員長を務め、30日から、治安警備隊や国家警察、軍の緊急対応部隊などとの間で業務の調整を行う。
冠水した路上=29日、スペイン・バレンシア/Eva Manez/Reuters
スペインの気象当局によれば、29日にはバレンシアの周辺を含む一部地域に大雨警報が出ていた。警報によれば、12時間以内に200ミリの雨が降る可能性があった。
一部の地域では、さらに短時間で予想雨量を上回った。バレンシアの東に位置するチバでは、わずか4時間あまりで320ミリの雨が降った。
バレンシア地方の10月全体の降雨量は平均77ミリ。
ムルシアやマラガの周辺でも一部地域で100ミリを超える雨が報告された。