英高等法院、アサンジュ被告の米引き渡し判断保留

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ジュリアン・アサンジュ被告=2017年、英ロンドン/Jack Taylor/Getty Images

ジュリアン・アサンジュ被告=2017年、英ロンドン/Jack Taylor/Getty Images

ロンドン(CNN) 英高等法院は26日、内部告発サイト「ウィキリークス」の創設者、ジュリアン・アサンジュ被告(52)の身柄が直ちに米国に引き渡されることはないとの判断を示した。引き渡しを求める米国に対しては、アサンジュ被告の人権を守り、同被告が死刑に問われることがないなどの保証を3週間以内に提示するよう求めた。

米当局はアサンジュ被告が軍の機密文書を暴露して人命を危険にさらしたなどとして、身柄の引き渡しを求めている。

英国の裁判所は2022年に身柄引き渡しの命令を出し、英政府も承認したが、アサンジュ被告側が高等法院に不服を申し立てていた。

米国が期限までに保証を提示しなければ、5月の公聴会でアサンジュ被告の申し立てを認め、本格審理入りする。

アサンジュ被告はこの5年間、ロンドンにある刑務所に勾留され、その前の7年間は在英エクアドル大使館に籠城(ろうじょう)していた。

高等法院による判断が示された後、取材に応じるアサンジュ被告の妻のステラさん=26日、英ロンドン/Toby Melville/Reuters
高等法院による判断が示された後、取材に応じるアサンジュ被告の妻のステラさん=26日、英ロンドン/Toby Melville/Reuters

アサンジュ被告の身柄引き渡しをめぐっては、移送が認められれば報道の自由を抑圧することになると、言論の自由を擁護する人々から非難の声が上がっていた。

英高等法院は26日、米国への移送が表現の自由と相いれないことや、移送された場合に国籍が原因で裁判で不公平に扱われ、死刑を回避できない可能性があるとのアサンジュ被告の3点の主張が審理で認められる可能性があるとの見方を示した。

ただし、起訴は政治的動機に基づいているとの主張は認めなかった。

オーストラリア国籍のアサンジュ被告はウィキリークスが機密文書や外交公電を大量公開した件をめぐり、米国で18件の容疑で指名手配されており、有罪になれば最大で禁錮175年を言い渡される可能性がある。

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