COP28合意草案、化石燃料廃止に言及せず 「完全な失敗の瀬戸際」と警告の声も

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UAEで開催されているCOP28の会場を歩く人々/Peter Dejong/AP

UAEで開催されているCOP28の会場を歩く人々/Peter Dejong/AP

ドバイ(CNN) 気候問題の活動家らは、アラブ首長国連邦(UAE) のドバイで開催されている国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP28)について、失敗の瀬戸際にあると警鐘を鳴らしている。各国による中核的合意の新草案に、化石燃料の段階的廃止への呼びかけが盛り込まれていないためだ。化石燃料の使用は、気候危機を促進する主因とされる。

当該の草案は11日、予想より6時間以上遅れて発表された。化石燃料に関しては、廃止に向けた効力を弱める文言を使用している。そこには対策に反対する産油国への譲歩があるとみられる。

草案は各国に対し、地球温暖化ガスの排出削減に向けた措置を呼びかける。その上で石油、石炭、ガスの消費と生産の縮小がそうした措置に含まれる「可能性もある」としている。

しかし気候問題の専門家などの多くは、草案の言い回しが曖昧(あいまい)だと強く非難。「可能性もある」といった文言の使用に加え、具体的なスケジュールが欠如している点を問題視する。

ドバイでの協議に参加する100カ国以上が化石燃料の段階的な廃止を明言することを支持しており、多くの国々が今後の協議で草案への反対を表明する公算が大きい。他方、サウジアラビアをはじめとする国々は、化石燃料に関するあらゆる言及を盛り込むことに反対してきた。このため草案の文言を一層無力化しようとする可能性がある。

仮に現行の草案が広範な支持を得られなければ、交渉国の間で再度の議論が必要になるかもしれない。

気候問題の活動家で米国の副大統領を務めたアル・ゴア氏は、X(旧ツイッター)への投稿で、COP28について「今や完全な失敗の瀬戸際にある」と指摘。

「世界にとって是が非でも必要なのは、化石燃料の段階的な廃止を可能な限り迅速に実現することだ。しかしながら今回の腰の引けた草案は、まるでOPEC(石油輸出国機構)が一字一句指示を出したかのように読める」「多くの人々の懸念を上回るひどい内容だ」と非難した。

OPECのガイス事務局長は先週、加盟国に向けて、化石燃料を標的にしたいかなる文言も「事前に拒絶」するよう求めていた。そこでは「化石燃料の廃止」を「政治的動機に基づく運動」と強調。「我が国民の繁栄と未来を危険にさらすものであり、受け入れるわけにいかない」としている。

COP28を主導するUAEのスルタン・アル・ジャベル議長は11日、会議の場で「ここまで進展があったものの、まだやるべきことは多い」と発言。参加国に対し、化石燃料についての文言を含め、依然として合意すべき事項が残っていることを示唆した。

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