ダム決壊で農業用の灌漑復旧に7年必要か、ウクライナ南部

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(CNN) ウクライナ南部ヘルソン州のカホウカ・ダムの決壊を受け同国のソリスキー農業食料相は15日までに、南部地域の農業振興にとって機能が失われた灌漑(かんがい)システムの復旧が今後、最大の問題になるとの認識を示した。

声明で、同ダムが潤してきた水路は広さ50万ヘクタール以上の土地に水を供給してきたと指摘。灌漑設備がなければ農家はもはや耕作も出来ず、大きく頼ってきた安定した収入源も消えると述べた。

灌漑設備がなければ十分に利用出来ない土地の広さは最大で150万ヘクタールに達するとも予想。灌漑システムの回復には長くて7年かかる可能性にも触れた。

カホウカ・ダムの貯水池は二つの灌漑や給水システムを支えてきたと説明。北クリミア水路などで、貯水池の水位が今や減少したたため、水がこれらシステムに単純に流れてこなくなったとし、水位を上昇させるにはダムの再建が必要だがこれには多くの年月がかかると強調した。

ウクライナの農業団体幹部は最近の記者会見で、ダム決壊で消失する穀物や油用種子は15億米ドル(約2115億円)以上となる可能性があることに言及。

酪農部門には深刻な影響が及ぶだろうとし、十分な水が必要な野菜類の栽培にも問題が生じるだろうと予想した。

ロシア軍の占領が始まって以降、ヘルソン、ザポリージャ両州では既に大量の産物の供給能力を奪われたと主張。これら領土を奪還しても、産物の栽培の正常化は非常に難しいだろうとも述べた。

その上で新たな水力発電所が建設されず、水を確保出来る場所がないのなら仕事は続けられないとする農民の声を紹介した。

ウクライナは農業大国としても知られている。

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