頭上の山岳から岩石崩落の恐れ、村の住民に避難命令 スイス

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避難命令が出たスイスの村ブリエンツ/Christoph Nänni/Graubünden Civil Engineering Office

避難命令が出たスイスの村ブリエンツ/Christoph Nänni/Graubünden Civil Engineering Office

(CNN) スイスの村ブリエンツの住民らに対し、自治体が避難命令を出している。同村に面する傾斜地から、巨大な岩の塊が向こう数日のうちに崩落してくる恐れがあるためだという。

ブリエンツの自治体幹部らは9日夜に役場で会合を開き、住民らに向けて現地時間の12日午後6時までに村から退去する必要があると告げた。

村での早期警戒業務を統括するシュテファン・シュナイダー氏は「最大200万立方メートルの岩石物質が向こう7~24日の間に崩落もしくは滑落する」との見通しを明らかにした。

専門家らはこうした事象について、気候変動の結果である可能性に言及。世界気象機関(WMO)の年次報告によると、アルプス山脈は記録的な氷河の融解に見舞われており、とりわけスイスは大きな影響を受けている。同国の氷河の体積は2021年から22年にかけて6%失われたという。

ケンブリッジ大学の研究員、レベッカ・デル氏はCNNの取材に答え、「こうした融解は、町や村に面する山岳の傾斜地を不安定化させる恐れがある。傾斜地が過度に不安定化すれば、岩石の崩落といった現象が発生しかねない」と警鐘を鳴らした。

スイスの国営放送SRFによるとブリエンツ村はグラウビュンデン州にあり、住民の数は100人に満たない。

地元アルブラ郡が出した声明によれば、過去1世紀の間にブリエンツ村自体の地盤も毎年数センチ単位で動いている。ただこの20年間はそうした滑りの動きが加速し、毎年約1メートル動くようになっているという。

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