「他人の野心のために死にたくない」 国境に押し寄せるロシア男性、動員令で窮状

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フィンランドの検問所に向かうロシアからのバスの乗客/Sasu Makinen/AP

フィンランドの検問所に向かうロシアからのバスの乗客/Sasu Makinen/AP

「動員は『部分的』とされているが、この部分性については、地理的にも、基準に関しても、何の数値も明記されていない」。ロシアの政治科学者エカテリーナ・シュルマンさんは自身のSNSでそう指摘した。「この文言に従えば、軍事産業関連の労働者を除き、どんな人でも徴兵できる」

ロシアの18~60歳の男性は、ウクライナに侵攻したプーチン大統領の戦争に予備役として動員される可能性がある。

アレクセーエフさんは、妻と共にカザフスタンに入国したものの、国境の町のホテルがどこも満室だったことから、車で首都アスタナへ行き、住む部屋を探し始めた。「3日前まで、自分がカザフスタンでアパートを探しているなんて思いもしなかった。2カ月滞在してから多分ウズベキスタンに行って滞在期間を更新する。多国籍企業で仕事を探すつもりだ」

やはりカザフスタンの国境経由でロシアを脱出したキリル・ポノマレフさん(23)は、プーチン大統領の演説の前夜から出国のためのチケットを予約しようとしてという。

「前の晩はプーチン大統領の演説を待ちながら、何らかの理由でチケットを買えなかった。それからチケットを買わないまま眠ってしまい、目が覚めたら値段が跳ね上がっていた」(ポノマレフさん)

国境に押し寄せた男性たちは、テレグラムのチャンネル経由や友人同士で情報を交換し合った。ロシア発の片道航空券は、発表から数時間で売り切れた。

ロシアと国境を接する欧州連合(EU)5カ国のうち4カ国は、ロシア人が観光ビザで入国することを禁止した。ロシアから陸路で国境を越えて旧ソ連のカザフスタン、ジョージア、アルメニアへ向かう行列は、24時間以上も続く。

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