型破りなトランプ外交、日中の接近招く結果に
トランプのカード
日中それぞれの政府と米政権の関係は、一方は境界線を争う敵対国、もう一方は緊密な同盟国と歴史的に非常に異なるものだった。だが、トランプ政権では日中が似たような要求にさらされている。
米国と中国との摩擦は周知のものとなり、世界経済や外交関係に影響が広がっている。
米当局は中国が知的財産を盗んだと非難し中国製品に対する関税を引き上げ、数十億ドル規模の中国製品が締め出された。
この数カ月では、摩擦は経済問題を越えて軍事や政治の分野に及び、トランプ氏は中国が米国の選挙に干渉しているとの主張も展開している。
日本にとっては、米国との衝突はより複雑で予測不可能なものとなっている。米国は70年以上にわたり日本政府の緊密な軍事的、外交的な同盟国だったからだ。
安倍首相は2016年の米大統領選挙後初めてトランプ氏と会談した一国の指導者だった。
その後も会談を重ね、トランプ氏との関係を築こうと努力してきたが、日本政府はほとんど成果がない状態で置いてきぼりにされている。
中野教授は、首脳間の親密な関係などが日本への特別な待遇には結び付かず、むしろ貿易問題では非常に乱暴で敵対的な態度を示される状況になっていると指摘する。