サウジ記者殺害、サウジ皇太子が初の言及 「忌まわしい犯罪」
リヤド(CNN) サウジアラビアのムハンマド皇太子は24日、サウジ人記者のジャマル・カショギ氏がトルコのサウジ総領事館で殺害された事件に触れ、「忌まわしい犯罪」との認識を示した。事件について皇太子が言及したのは初めて。
サウジの首都リヤドで開催中の投資会議「未来投資イニシアチブ(FII)」で述べた。事件をめぐっては、皇太子の一部側近の関与を指摘する声が出ている。
ムハンマド皇太子は演説で、殺害犯には裁きが下されると発言。「全サウジ国民ならびに世界の全ての人々にとって非常に痛ましい事件だ」とした。
今回の危機はムハンマド皇太子にとって、かつてない脅威となっている。サウジが先の週末にカショギ氏の死亡を認めて以降、皇太子のメディア責任者や情報機関副長官ら高官5人が解任され、18人が逮捕された。
サウジ政府は、ムハンマド皇太子も父のサルマン国王もカショギ氏を標的とした作戦について知らなかったと主張。一方、米当局者は、サウジの事実上の指導者である皇太子の承認なくして作戦が実行されることはあり得なかったとの見方を示している。
ムハンマド皇太子はまた、サウジとして必要なあらゆる措置を取り、徹底捜査を行って結果を出すと表明。「忌まわしい犯罪」の責任者に裁きを下し、裁判にかける方針を示した。
サウジは公式発表では、カショギ記者について、口論が暴力に発展して死亡したと主張していたものの、当局者による内々の説明は二転三転している。当局者の新たな説明によれば、当初の計画ではカショギ氏にサウジ帰国を促し、拒んだ場合には薬物を投与してイスタンブール市内の隠し拠点に連行する予定だった。しかしカショギ氏が平静を失ったため、首を絞めたところ死亡したとしている。